医療機関の IT 戦略の要となるのは、データセキュリティと効率でしょう。予算緊縮でリソース不足に悩むのはどこも同じで、医療機関の IT 部門も例外ではありませんが、PR Newswire による報告は、医療系 IT にとって少しうれしい調査結果を示しています。
報告書によると、医療系 IT 部門の予算は、他のほとんどの産業よりも速いペースで増加すると予想されています。より正確には、調査対象の医療機関 CIO の52%が翌年の予算の増加を予想していたのに対し、他の業界では45%でした。それほど大きい差ではありませんが、医療機関の IT 部門は、少し増えるかもしれない予算を最大限に活用することを検討するべきです。
医療は情報を活用することで確実に進化します。直接的な患者診断から複合的な処理が必要なベッド管理まで、数限りないデータソースを分析して医療活動に役立てることは極めて重要です。IT 部門にとっては、荷が重い大変な課題であるとともに、工夫次第でコスト削減につなげることができるチャンスになります。
データ管理で最もコストがかかるものに、ストレージとデータ管理のためのプロセスがあります。新しいシステムが追加されて、データやデータを扱うシステムが複製されると、非効率性が生じます。複雑さを回避するため、プラットフォームを集約して一元管理できるようにし、ストレージも統合するよう綿密に計画を立てることで、データ管理が容易になり、究極的にはコストも削減できるはずです。
ハードウェアやソフトウェアのコストは数字で確認できますが、数値化しにくいコストもあります。データ損失を防ぐためにセキュリティ戦略を強化する場合、かなりのコストが発生します。Health IT Security は、医療機関で発生したデータ侵害のコストが5年間の復旧プロセスを含めて累積で16億ドルに達し得るという保険会社のシナリオを報告しています。
EHR、統計調査、請求書情報などに多くの ePHI がはめ込まれているので、医療機関へのサイバー攻撃のリスクは非常に高くなっています。そのため、データ侵害で評判を落としたために失われた機会に対するオポチュニティコストを含む大きなコストを回避するには、ワークフロープロセスのすべての段階で情報を保護するための明確で効果的な戦略が必要です。すべてのデータ環境とプロセスに関する集中管理されたビューを提供するソリューションがあれば有効なはずです。
コスト削減とデータセキュリティの向上に共通して貢献できるのが自動化です。その性質上、自動化は、それまで継続的に手動の介入を必要としていたタスクを合理化します。人員の介入が不要になればコストは下がり、効率が上がります。
自動化と関連が深いタスクとしては、ネットワーク監視、データ転送、データ保護などがあります。これらの領域に自動化を実装することにより、工数を節約できるだけでなく、暗号化とデータセキュリティへの信頼性を高めてコストのかかるデータ侵害を防ぐことができます。
優れた IT 戦略を構築してコストを削減することは、予算規模にかかわらず歓迎されるべき方策です。しっかりデータ管理でき、強力なセキュリティ機能を持ち、自動化によって効率化を図れるテクノロジーを導入すると、IT 部門の人員に余裕ができ、より高度な医療の提供に寄与します。
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